木を見て3
小屋梁は、屋根の重みを一手に引き受けるからだ。
ただ、まっすぐにかけてしまったのでは、重みは真ん中にみんな集まってしまう。
何かの拍子で耐えられなくなる。
重みは四方に分散するようにしないといけない。
それには、建物の中心に近いところを高く仕かける。
そうすれば、中が突っ張るから、力は四方に逃げる。
まんべんなくかかる道理だ。
梁は人間なら背骨に該当する重要な部分で、これが入ると、軒まで一直線の水平な建物ができる。
東大寺の大仏殿は、建物の荷重で完成時より三十五センチ高さが縮んだそうだが、これは材木の乾燥と荷重による現象だ。
ソファー ベッドなどの入る一般住宅の場合でも荷重による沈みは多少あり、大工としてもこれは計算にいれてある。
京都の二条城城内の数寄屋建築の茶席の改修工事を見学したのだが、荷重による建物の寸法(高さ)の縮みを、最小限に食い止める(力を分散させる)知恵が、あちこちに工夫されていたが、昔の町大工の知恵には感心させられた。